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なぜ交換協定書を開発して使用するのか?

 

EDIは,国際貿易にとって効果的なビジネス・ツールとして急速に発展している。EDIを商取引および行政手続に使用することは、欧州、北米、豪州/ニュージーランドおよびアジアにおける多くの主要工業国では既に十分に定着している。

 

EDIの普及につれて、伝統的な紙の書類に基づく取引が電子的手段に代替されて、国際取引慣行が根本的に変化している。貿易業者は、手書き署名のあるオリジナルの書類を送受信する代わりに、構造化されたビジネスデータを一つのコンピュータシステムから他のコンピュータシステムへ電子的手段によって伝送しており、電子的手段による署名の採用も増加している。

 

しかしながら、電子メッセージが紙の書類と同じ機能を有することを法的に容認する範囲は、各国の国内法および国際法において大きな差がみられる。国際貿易に関する多くの条約および協定は、EDIの使用を予想していない。その理由は簡単で、これらの国際条約および協定が立案されたときにはEDIがまだ存在していなっかたし、またその後、必要な改正も行われていないのである。各国の国内法令も、EDIに基づく取引の法的効力に関しては不確実性を含み、この新技術の取扱に一貫性を欠いている。同様に、裁判所でも、電子書類、電子メッセージまたは電子的署名の効力に関して判決を下した経験がまだ殆どないのである。

 

EDIが使用されるようになった初期の段階から、さまざまな業界、経済圏または地域における商取引において、また技術的格差の度合いに応じて、上記の法的諸問題に焦点を合わせた交換協定書が使用されてきたのである。

 

なぜ企業は交換協定書を使用しなければならないのか?

 

明確な適用法規および法律原則が存在しないので、交換協定書が、企業に対して、取引相手先とのEDI取引関係を規則化するために容易に利用できる解決策を提供するのである。

 

例えば、「モデル協定書」は、適切に使用する場合に、EDIメッセージに対して各国の国内法に優先する法的拘束力を付与することを目指している。この目標を達成するためには、各企業は、EDIを使用して国内外の取引先と通信を行う前に、協定書で取り決めておかなければならない基本的な法的問題点を検討しなければならない。つまり、企業がEDIの使用を決定したときは、少なくとも下記の項目について、取引相手と合意しなければならないのである。項目間の優先頂位はその企業の具体的な必要性によって変化する。

 

a)EDIメッセージ、メッセージ標準および通信方法の選択;
b)装置、ソフトウェアおよびサービスが効果的に運用され,保守されることを保証

 

 

 

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